ご近所に国宝があった w(゚o゚)w

2009年のNHK大河ドラマ「天地人」で、織田信長が上杉謙信に豪華絢爛な金屏風を贈ったシーンをおぼろげながら記憶していた。
その金屏風の本物が、わたしの住む山形県米沢市にある。しかも国宝!
ご近所にこんな素晴らしい国宝文化財がありながら、その存在さえ意識しなかった歴史オンチを少しでもあらためるべく、オンチレベルでこの金屏風について調べてみた。

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ところで洛中洛外図ってなに?

そもそも「洛中洛外図」ってなにかがわからない。
洛中洛外図とは、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や季節の風物を描いた屏風絵のことだった。一般的に、右隻に京都東部、左隻に京都西部が描かれている。
屏風は、部屋の間仕切りや風よけとして平安時代くらいから広く普及していったようだ。お金持ちの嫁入り道具のひとつとしても持たされたらしい。
洛中洛外図と呼ばれる屏風絵は現在70点以上残されているが、国宝は上杉本だけである。

● 上杉屏風にまつわる謎 ● 

上杉屏風には、作者がほんとうに狩野永徳なのかという謎が今もってある。さらに、上杉屏風に描かれた景観年代にもいくつかの推定があり、その推定のひとつの1547年5月から閏7月頃の景観だとすれば、その頃狩野永徳は4才。年端もいかない子どもがこのような筆致で描けるはずがない。永徳が成長してから描いたにしても、幼い頃の記憶をもとにここまでリアルな完成度の高い作品を描けるのか、ほかの作者が描いた原本を模写したのではないかと、さまざまな説があるのだ。
また誰が何のためにこの屏風を描かせたのか、上杉謙信にこの屏風を贈ったのは本当に織田信長なのかなど論争がつきない。

とにかく上杉屏風を見てみよう!

所蔵されているのは、上杉神社の隣にある米沢市上杉博物館。常設展示されているのはレプリカだが、縮小サイズの写真で見るのと、現物サイズで見るのとでは大違い。

まず大きい!

左隻・右隻合わせて横幅7.2mだから、その大きさに圧倒される。庶民の家屋には入らないサイズ。
そして金色(きんいろ)というよりは金色(こんじき)と呼びたい、全面に彩られた金雲・金地のなんとゴージャスなこと。
さらに屏風は、折られた状態で展示されているので、平面写真で見るよりぐっと立体感が出て、描かれている人物もいきいきと見えてくる。

● 何人いるか? ● 

上杉屏風で注目したいのは、描かれている人々。公家から町人までその数全部で2,479人。当時の京都の人口は10万人程度なので、40人に1人がこの屏風に登場していることになるそうだ。中には猿や犬、鶏などの動物の姿もある。
軒先で立ち話をする町民、五条橋を渡ってお参りにいくのかもしれない旅人、鴨川で遊ぶ子ども達、犬に追いかけられ困惑している琵琶法師、医者で順番待ちをしている患者達など、ひとりひとりの動きや表情を見ていくだけでも充分に楽しめる。

歴史オンチがすすめるココが見どころ!

屏風の中に探してみたいのは、描かれている京都の有名な名所。

①試しに清水寺、三十三間堂、八坂の塔、金閣寺を探してみよう 
清水寺は右隻1扇の上部、清水の舞台から景色を眺めている参拝客がいて、現代人とちっとも変わらない。清水寺の右下には三十三間堂が。鮮やかな彩色は、ちょっとイメージと違うかも・・・。清水寺の左下には八坂の塔が、その左には八坂神社が描かれ、位置関係もほぼ合っている。
左隻2扇の金閣寺は冬景色で、屋根が雪化粧している。

②入浴中の裸の男を探してみよう 
大河ドラマ『天地人』では、妻夫木聡演じる若き日の直江兼続が、上杉屏風の中の裸で入浴する男に驚いていた。これは当時一条風呂と呼ばれた銭湯で、湯女(ゆな)がいてお客の背中を流すなどの世話をしていた。左隻5扇の中ほどに描かれている。

③床屋のおもしろ看板を探してみよう! 
おもしろいなと思ったのは右隻4扇の下部右寄りにある床屋。よーく見ると、髪結師の隣に看板があり、ハサミやカミソリの絵が描かれていのが見える。当時からこんなユニークなサインがあったのかと感心してしまう。

博物館では、どこに何が描かれているが解説図がもらえるのでわかりやすい。

● 本物の原本が見たい! ● 

米沢市上杉博物館では上杉屏風の展示のほかに、屏風を3Dスクリーンで表現した動画や、モニター上で拡大した絵柄を見られる設備もあって、見せ方に工夫がしてある。
こうして上杉屏風に興味が湧いてくると、本物が見てみたいという欲求が出てくる。国宝は定めによって年間60日間の展示しか認められていないので、上杉博物館では原則年2回春と秋に各20日間程度本物を展示するそうだ。ただし、他の博物館への貸出しがあった場合は、展示回数が年1回になる場合もある。
原本展示は、決定次第WEBサイト等で告知するそうなので、ちょくちょくチェックしなければ。

● ミュージアムショップのグッズが楽しい ● 

上杉博物館のミュージアムショップには、上杉屏風の関連グッズが販売されていた。上杉屏風の写真集・解説書をはじめ、ポストカードやクリアファイル、ペイパーウエイト。そして、300ピースのジグソーパズルもあった。色調が似ているので難しそうだが、何回かトライしたら上杉屏風マニアになれそう!

*    *    *

というわけで、歴史オンチでも充分楽しめた上杉本洛中洛外図屏風。
歴史的読み込みはできないけれど、いつの時代にも人の暮らしがあり、働き、遊び、笑ったり、怒ったりしながら生きていたんだなと2,479人の人々を見て思う。

● 上杉博物館 ●
住所:米沢市丸の内1-2-1
電話番号:0238-26-8000
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
常設展示室入館料:一般 400円 高校・大学生 200円 小・中学生 100円 ※団体割引あり
定休日:第4水曜(12~翌3月は月曜休、祝日の場合は翌日休)
URL:http://www.denkoku-no-mori.yonezawa.yamagata.jp/


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IKU

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米沢に住んで3年。はじめて米沢の冬を迎えた年は、長靴と雪かき用のスコップを購入。そして、誇張ではなく「あっという間」に積もる雪に驚愕。空からワサワサと降りてくる雪綿を見ているとワクワクする。
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