ちょっと背伸びをしてでも行きたい、と思わせるお店があるとします。

すぐさま「でも、お高いんでしょう?」と牽制の声が掛かります。

通常は「行く / 行かない 」天秤の端と端をウロウロ彷徨うことになりますが、

割と簡単に、しごく当たり前に「行く」に歩を進められるお店が米沢に在ります。

食べた後その決断を下した人が、「自分は正しい選択をした」と思えるお店。

馬場乃町 はやし  日本料理のお店です。

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訪れた日は快晴。紅葉の紅が青い空に映えていました

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「はやし」はお庭を通って奥へ、季節を味わってお店へ。これもまたおもてなしの一環。

ネットでちょっと調べれば、「はやし」のご主人の実力の程が裏打ちされた情報を多々見ることができますが、

今回はお料理にフォーカスして書きたいと思います。

 

敷地内に入ると少しずつ自分の気持ちが ‘すっ’  としはじめます。

玄関の戸を開けると、そこからはもう別の空間。

焚き染められたお香の香りと、明るく清潔で、あたたかみのある店内、出迎えてくださる女将さん。緊張感は感じないものの、自然と背筋が伸びます。

お店は古いお家をリノベーションしたもの。

窓が大きく作り変えてあったり、昔からあったものを工夫してモダンなインテリアにしてあったり、しつらえがとにかく洒落ている。

お祖母ちゃんの頃からあったものも使っているんですよ、とのこと。良い物を大切に使うと、次の時代にも生きるんだなぁ。

 

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地始凍頃(ちはじめてこおるころ)のお献立。献立にも季節に合わせた名前が振られます。

席に置かれている献立の名前に、先ず想像力が立ち上がります。

そして献立の内容に、胃袋さんのやる気も俄然立ち上がります。(๑•̀ㅂ•́)و✧  さて、今日はどんなヨロコビが待っているかな?

 

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先附。 小芋蟹あん掛け あったかくてとろんと優しいお出汁に蟹と三つ葉と里芋と入っています。この色と味、香りと食感。まさに五感を使って楽しむ料理の始まり始まり。

 

お料理は一品ずつ、丁寧に運ばれてきます。

器の色、形、添えられた葉に、季節を見、感じ、美味しく味わうことができます。

 

個人的には「はやし」さんのお料理を頂くと  “彩・香・触・粋・驚・品・優” の文字が浮かびます。

色彩豊かな料理や器、香りのアクセント、食感、小粋さ、組み合わせの妙、お店からお料理に至るまで全てに漂う品、

そして優れている、に加えた  優しさ。

 

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替。 鶏ら・ふらんす 白酢和へ

今が旬のラ・フランスに鶏(臭みが全くなく、けれどもちゃんと鶏のさっぱりとした美味しさがある)が合わせてありました。

全体可愛らしい花は赤紫蘇の花だそう。白酢?と思いきや全くすっぱくない。これがプロの腕前かぁ〜。

 

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お椀。萵苣(ちしゃ)薄葛じたて鮭つみれ 滑子茸 柚子  器の縞模様が粋だねぇ。

こちらは「触」に「驚」かされる一品。チシャの食感がシャリシャリして楽しい。そして鮭のつみれがこれまたびっくりするくらい柔らか。

青物のお野菜が高い昨今、「そんなときこそ惜しみなく食べていただく」ようにしているのだそう。

通常は語られないそんな思いも、一角のおもてなし。

 

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お造り。鱈 昆布〆 オレンジポン酢 煮凍り

鱈という魚が、こんなに美味しく食べられるんだと思った一品。昆布で〆ることによって余計な水分が抜ける、とのこと。

コリコリと歯ごたえがあってオイルの入ったオレンジポン酢と良く合いました。煮凍りも絶妙。

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日本料理の板さんの一番色気のある姿は刺身引きで決まり!(主観)

 

 

 

 

 

 

 

 

ご主人の大竹さん、とても気さくな方で、色々なことを教えてくれました。カウンター席、おすすめです。

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焼もの。錦秋焼き 魳(かます)丸十(さつまいも)蜜煮 ほおずき  食用ほおずきのえも言われぬ味わいにほほう〜。

これもまた秋らしい彩りにあふれた一品。

かますの上に乗っている菊はメレンゲに絡めてあり「驚!」、その上のさつまいもは銀杏の形。

色づいた柿の葉に乗せてありました。

「いかにも秋らしいお皿ですね」と言うと「本当は緑のもみじがあるし、内側の金色の部分は桜なので春にも使えるんですよ」

と教えていただきました。なるほど〜  φ(. .)メモメモ

 

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煮もの。鱧 玉締め

ふわっふわの鱧にふわっふわの卵。三つ葉が良い香り。はふっはふっ、と熱々でした。

 

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食事。 きのこ御飯 香のもの 汁  上に乗っている青物は春菊。ここにも「香」あり。

「はやし」さんの御飯は土鍋でたっぷり炊いて、よそって出してもらいます。おこげがあったりするのもうれしい。

様々な種類のきのこに鶏の旨味ごまのプチプチ「触」、春菊の爽やかさ。

あまったらおむすびにしてお持ち帰り出来ます。これが二度目の美味しさで、冷めても美味しかった。

我が家のお気楽旦那さんも喜んでいました。(すまない…お気楽旦那さん。今度一緒に行こうね…いつかね…)

 

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甘味。 杏仁餅

楽しい時間はあっという間。デザートでおしまいです。ラ・フランスや紅葉の形のにんじんゼリー(?)ふんわりした杏仁餅。

涼やかな後味で、素敵なお昼の時間をクロージング。

きりっとした適度な緊張感が大人しやかで、それでいていつまでもそこに留まっていたいような心地よさのある時間と空間。

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「行く / 行かない 」天秤が揺れる時、そこは「行く」のお皿にやさしく分銅を置きましょう。

五感全てが喜びを感じることでしょう。そして一通りその感覚を味わった次に、誰か、自分の大切な人を連れて来てあげたいなぁと思うのです。

「その人」の顔が浮かぶのは、水たまりを覗いた時、自分の顔が映るのと同じくらいの時しかかかりません。

 

「馬場乃町 はやし」は、米沢に在る至高です。

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馬場乃町はやし

〒992-0038 山形県米沢市城南1丁目6−18

TEL 0238-40-8877

ランチ:11:30〜14:30

ディナー:17:30〜22:00

完全予約制

不定休

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ちびっこい体で置賜をうろついています。 好きなものはおもち。おいしいお団子やおもちに出会うと買ってしまわずにはいられない。 つまり置賜はおいしいワナでいっぱいってこと。
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